コラム
マンションの外壁タイル修繕はなぜ必要?その重要性や費用相場を詳しく解説します
マンションの外壁タイルは、年月と共に剥落や浮きが生じてしまいます。美観を損なうだけでなく、落下による事故の危険もあるため、定期的な修繕が欠かせません。
しかし、適切な修繕のタイミングや流れ、注意点など知っておくべき情報は多岐にわたります。
この記事では、外壁タイルの修繕が必要な理由から、費用相場、修繕するにあたっての注意点までを徹底解説します。
外壁タイルの修繕が必要な理由
外壁タイルの劣化は、建物の安全性や資産価値に大きな影響を及ぼします。定期的な大規模修繕でタイルの補修を行うことが重要な理由を、以下の3点から説明します。
外壁タイルの剥落を防ぐため
外壁タイルが剥がれ落ちると、通行人にケガをさせてしまう危険性があります。万が一、タイルが歩行者に当たってしまった場合、管理組合は賠償責任を問われる可能性があります。また、タイルの剥落は建物の外観を損ない、マンションの印象を大きく低下させてしまいます。
大きな事故や損失を未然に防ぐためにも、定期的な外壁タイルの点検を行い、ひび割れや浮きが見つかった段階で速やかに補修を行うことが大切です。
マンションの耐久性を維持するため
外壁タイルのひび割れや欠損部分から雨水が浸入すると、建物の躯体にダメージを与えてしまいます。コンクリートの中性化が進行したり、内部の鉄筋が錆びたりすることで、マンション全体の耐久性が低下してしまうのです。
外壁タイルの劣化を放置せず、適切なタイミングで修繕を行うことが、マンションの長寿命化につながります。大規模修繕の際には、外壁タイルの点検と補修を必ず実施し、建物の構造的な健全性を維持していくことが重要です。
美観低下による資産価値の低下を防ぐため
外壁タイルが劣化すると、建物の外観が悪化し、マンションの資産価値が下がってしまいます。ひび割れや剥がれが目立つ外壁は、「管理が行き届いていないマンション」という印象を与えかねません。
たとえ永住するつもりでも、将来的に売却する可能性を考えると、マンションの美観を維持しておくことは重要です。外壁タイルを定期的に補修し、いつでも売却できる状態に保っておくことが、先の見えない状況下でのリスク対策になります。
外壁タイルの修繕を行うべき目安は?
マンションの外壁タイルは、経年劣化や自然災害などの影響で損傷することがあります。タイルの状態を定期的に確認し、適切なタイミングで修繕を行うことが重要です。
外壁タイルの修繕が必要な主な目安は以下の通りです。
タイルが浮いている
外壁タイルに浮きが生じている場合は、タイルと下地の接着力が低下している危険な状態です。浮きが軽度であれば打診調査で確認できますが、目視で浮きが分かるほど進行していれば深刻な段階にあります。タイルの浮きが放置されれば、最悪の場合剥がれや落下につながり、歩行者に被害が及ぶリスクがあります。
そのため、日頃からタイルの浮きに注意を払い、異常が見られたら早期に専門家に相談し、適切な対策を講じることが重要になります。
剥がれや欠損がある
外壁タイルに剥がれや欠損がある状態は、明らかな劣化の兆候といえます。剥がれは下地との接着が弱まっているためで、欠損は地震などの外力が原因です。剥がれや欠損があると、外観が損なわれるだけでなく、雨水の浸入などのトラブルにつながる可能性があります。
そのため、大規模修繕時には剥がれや欠損のあるタイルを適切に補修することが不可欠になります。放置すれば、さらなる劣化が進行するリスクがあるためです。
雨漏りしている
外壁からの雨漏りは、タイルにひびや亀裂が入っている危険な兆候の一つです。雨漏りの主因は屋根材や外壁材の劣化ですが、外壁タイルに問題がある場合もあります。確実に外壁タイルからの雨漏りがあると分かった場合は、速やかにタイルの補修を検討する必要があります。
雨漏りは内部の劣化を加速させるだけでなく、雨水の浸入によって構造体にも悪影響を及ぼす可能性があるためです。放置すれば大規模な修繕が必要になる可能性が高くなります。
外壁タイルの修繕の流れ
外壁タイルの修繕は、専門家による適切な手順で行う必要があります。
主な流れは以下の通りです。
①打診調査
修繕の第一歩は、足場を設置して外壁タイル全面の打診調査と目視検査を実施することです。普段目視できない箇所も含め、タイルの浮き、ひび割れ、剥がれなどの劣化状況を徹底的に確認します。
専門業者は、目視だけでは分からない浮きの有無を打診で確認します。浮きが軽度であれば打診調査で発見でき、重度の場合は目視でも確認できます。この調査結果に基づき、補修範囲や方法が適切に決定されます。
②タイル補修
接着剤で固定する
浮きのあるタイルには「アンカーピンニング工法」で固定します。この工法では、浮いたタイルの目地に穴を開け、エポキシ樹脂などの接着剤を注入した後、アンカーピンで固定します。最後に穴をパテで覆うことで、目地部分の美観も保たれます。
接着剤の注入によりタイルと下地の密着力が高まり、アンカーピンで固定を行うことでタイルの固定力が増します。将来的な浮きの発生を防ぐことができる確実な補修方法です。浮きが軽度であれば、この方法で十分対処可能です。
張り替え
一方、ひび割れや欠損、剥がれが著しい場合は、新しいタイルへの張り替えが必要になります。まず既存のタイルを丁寧に撤去し、下地のコンクリートやモルタルを除去して下地を整備します。その上で新しいタイルを接着剤で張り付けます。
タイルの浮きが重度な場合も、状況によっては張り替えが推奨されることがあります。劣化の程度次第で、専門業者が適切な補修方法を提案してくれます。
③タイルの目地を補修する
タイルの目地は、タイル同士の間を埋めるモルタルのことで、防水性や緩衝材としての役割を担っています。しかし、経年劣化によってひび割れや収縮が生じ、目地にすき間ができてしまうと、本来の機能を発揮できなくなります。
そのため、タイルに問題がない場合でも、目地自体の劣化を修復するために補修が必要となります。目地の補修は、タイルの補修作業が完了した後に行われ、劣化した目地をモルタルで充填することで、防水性や耐久性を回復させます。
④塗装
外壁タイルは通常、塗装を必要としませんが、美観や防水性を高めるために、クリア塗装を施すこともあります。クリア塗装は、タイルの表面にツヤを与え、高級感を演出するだけでなく、目地の防水性を向上させる効果もあります。
ただし、塗装を行う場合は、タイルや目地の補修作業が完全に終了し、表面が十分に乾燥していることを確認する必要があります。また、使用する塗料は、タイルの材質に適したものを選択し、適切な方法で塗布することが重要です。
外壁タイルの修繕の費用相場について
外壁タイルの修繕費用は、修繕の範囲や内容によって大きく変わります。大規模な修繕で広範囲のタイル張り替えが必要な場合、1平方メートルあたり700円から1,100円程度の費用がかかります。一方、破損したタイルが一部分であれば、部分的な補修で済むので費用は抑えられます。
具体的な修繕内容別の費用相場を見ると、タイルの浮きを直す場合は1か所500円から900円、張り替えは1枚あたり500円前後です。また、クリア塗装を施す場合は1平方メートルあたり約3,000円が目安となります。
修繕範囲や適切な方法を個人で判断するのは難しいため、専門業者に現地調査と見積もりを依頼することが賢明です。
外壁タイルを修繕する際の注意点
外壁タイルの修繕は、建物の美観を保ち、劣化を防ぐために重要な工事です。しかし、修繕を行う際には、いくつかの注意点があります。
ここでは、修繕費用が予想以上にかかる可能性と、新しいタイルの用意に時間がかかることについて解説します。
修繕費が見積もり以上にかかる可能性がある
マンション外壁のタイル修繕では、実数精算方式が一般的に採用されています。この方式では、見積もり時に概算費用を算出しますが、実際に足場を組んで補修範囲を確認した上で最終的な修繕費用が確定します。つまり、見積もり金額を上回る可能性があるのです。
その理由は、外壁タイルの劣化状況を事前に正確に把握するのが難しいためです。見積もり時には一部分しか調査できず、工事が進むにつれて予想以上に劣化が進んでいることがわかる場合があります。
新しいタイルの用意に時間がかかることがある
建物の築年数が経過している場合、当時使用されていたタイルが廃番になっていることがあります。廃番のタイルを特注で製造してもらう場合、納品まで約4ヵ月の期間を要します。
特注せずに、似たタイプのタイルを選ぶこともできますが、張り替え箇所だけ外観に違和感が生じるリスクがあります。タイルの選定には時間を要するため、工事のスケジュールに影響が出ないよう、早めに準備を進めることが大切です。
まとめ
マンション外壁のタイル修繕は、剥落や浮きなどの症状がみられた際に必要となります。修繕の流れは打診調査、タイル補修、目地補修、塗装と進みますが、修繕費が見積もりを上回る可能性や、新しいタイルの手配に時間がかかるケースもあり注意が必要です。
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