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タイルの剥落防止工法とは?原因から工法の種類・費用・選び方まで徹底解説
建物の外壁に使われるタイルは、見た目の美しさだけでなく、耐久性や防水性にも優れています。しかし、年数が経つとタイルがはがれ落ちる「タイル剥落」が起こることがあります。
タイルの剥落は、重大な事故につながる恐れがあり、早めの対策と定期的な点検が重要です。
本記事では、国土交通省や建築研究所のデータをもとに、タイル剥落の原因、防止工法、費用の目安、工法の選び方まで、わかりやすく解説します。
なぜタイルの剥落が起きるのか?防止のために原因を知ろう

タイルの剥落は、さまざまな要因が重なって起こります。以下では、代表的な原因を紹介します。
下地とタイルの接着力が弱くなるから
タイルは下地にモルタルや接着剤で貼り付けられます。しかし時間の経過とともに、接着剤が劣化したり、下地が傷んだりすると、タイルとの接着力が落ちてしまいます。
特に、下地がコンクリートやモルタルの場合、ひび割れや空洞があると密着しにくくなります。
接着力の低下は、目には見えにくいため定期的な検査が重要です。
建築研究所の調査でも、接着力不足はタイル剥落の主要な原因とされています。
施工時の接着剤の塗りムラがあるから
施工段階で接着剤が均等に塗られていないと、一部に空気の層ができてタイルがしっかりと固定されません。
このような塗りムラは、タイルの「浮き」の原因となり、時間の経過で剥がれにつながります。
外観上は問題なく見えても、内部に不均一な接着があると、振動や水分によって一気に劣化が進む可能性があります。
正しい工法で丁寧に施工することが、タイルの寿命を伸ばすポイントです。
経年劣化で接着剤が劣化するから
接着剤やモルタルなどの材料は、紫外線・熱・湿気の影響で徐々に劣化します。
一般的に、外壁タイルの接着力は10年〜20年程度で低下するとされています。
特に直射日光が当たる南面や、風雨にさらされる部分は劣化が早く進む傾向があります。
定期的な点検により、劣化の兆候を早めに発見することが重要です。
建物の揺れや振動でタイルが動くから
地震や強風、交通の振動などによって、建物全体がわずかに揺れることがあります。
このような揺れにより、タイルと下地の間に力がかかり、接着部分が少しずつ剥がれていきます。
とくに高層ビルや交通量の多い道路沿いの建物では、振動の影響が大きくなります。
建物の立地に合わせて、耐振性のある施工法を選ぶことが必要です。
水分が侵入して凍害や膨張が起こるから
タイルの隙間や割れ目から水が入り込み、それが凍結と融解を繰り返すと、下地が膨張しタイルが浮いてきます。これを「凍害」といいます。
また、雨水が下地にしみこむことでカビや腐食を引き起こし、タイルの剥落リスクが高まります。
外壁の防水処理は、タイル剥落を防ぐうえで非常に重要です。
国土交通省の資料でも、凍害によるタイル剥落が多数報告されています。
タイルの剥落を防止するために知っておきたい基本的な工法
ここでは、基本的な剥落防止工法を紹介します。下地の状態や施工目的によって適切な工法を選ぶことが大切です。
全面接着張り工法
下地全体に接着剤を均等に塗り、タイルを圧着して貼り付ける方法です。
塗りムラが少なく、タイルの密着性が高くなるため、剥落防止効果が高まります。
また、空洞ができにくく、耐久性にも優れています。
新築や全面改修におすすめされる基本工法です。
張り替えによる下地補修
既存のタイルを一旦取り外し、下地の劣化部分を補修してから再度タイルを貼り直す方法です。
下地のひび割れや浮きを根本的に解決できます。
施工には時間と費用がかかりますが、耐久性が高く安心です。
劣化が進んだ建物には有効な手段です。
エポキシ樹脂注入工法
タイルと下地の隙間にエポキシ樹脂を注入し、再接着させる工法です。
タイルを剥がさずに補修できるため、コストと工期を抑えられます。
部分的な浮きや剥がれの初期段階に適しています。
業者による正確な診断と注入が必要です。
浮き補修アンカー固定工法
タイルの浮いた部分にアンカー(ピン)を打ち込み、機械的に固定する方法です。
接着剤だけに頼らないため、強風や振動に強くなります。
エポキシ樹脂と併用することで、補修効果が高まります。
高所や高層建築に使われることが多い工法です。
防水塗膜による下地保護
下地に防水塗料を塗ることで、水分の侵入を防ぎ、凍害やカビを防止します。
タイルの表面や目地部分からの浸水を防ぐ役割があります。
この工法は補助的な役割として他の工法と併用されます。
外壁の耐久性を高めるうえで欠かせない対策です。
よく使われるタイルの剥落防止工法にはどんな種類がある?

実際の現場でよく採用されているタイルの剥落防止工法をいくつか紹介します。建物の状態や予算、耐久性の要望に応じて、適切な工法を選びましょう。
エポキシ樹脂注入工法
タイルと下地の間にできた浮き部分に、小さな穴をあけてエポキシ樹脂を注入し、接着力を回復させる方法です。
剥がさずに作業できるため、費用や工期を抑えつつ安全性を高められるメリットがあります。
初期の浮きや剥がれに非常に効果的ですが、広範囲の劣化には不向きなこともあります。
熟練した業者による正確な診断と施工が求められる工法です。
ステンレスピンニング工法
浮いたタイル部分にステンレス製のピン(アンカー)を打ち込み、物理的に固定する工法です。
ピンと同時にエポキシ樹脂を使うことで、機械的固定と化学的接着の両方の効果が得られます。
とくに高層ビルや地震の多い地域では、耐振性の観点からも有効とされています。
ただし施工時にタイル表面に穴をあける必要があるため、見た目にやや影響が出ることがあります。
カバー工法(上貼り)
既存のタイルを剥がさずに、その上から新しいタイルやパネルを貼り付ける工法です。
廃材処理が少なく、短期間で施工できるため、費用や工期を抑えたい現場に向いています。
外観を一新したい場合や、美観を重視する建物におすすめです。
ただし、下地が著しく劣化している場合は効果が薄いため、事前の点検が必要です。
タイル張替え+外壁補修工法
既存のタイルを撤去し、下地を全面補修したうえで新しいタイルを貼る方法です。
構造自体の耐久性を高めることができ、長期的な安全性の確保に非常に効果的です。
ただし、施工範囲が広いため費用と時間がかかるのがデメリットです。
築年数が古い建物や劣化が進んだケースでは、この方法が最適です。
炭素繊維シート補強工法
炭素繊維シートを外壁に貼り付け、剥落の危険がある部分を補強する最新の技術です。
軽量で高強度な炭素繊維を使うことで、建物の自重を増やさずに耐震性を強化できます。
一般的には大規模な公共施設や特殊な用途で使われますが、今後は民間でも採用が増えると予想されます。
外壁全体の剥落リスクをまとめて補強したい場合に向いています。
外壁におすすめのタイル剥落防止工法とは?選び方のポイント
それぞれの工法にはメリット・デメリットがあります。建物の状態、目的、予算を考慮して適切に選ぶことが大切です。
高所や広範囲にはエポキシ樹脂注入工法が適している
高層ビルやマンションなどの高所では、仮設足場のコストが大きくなるため、部分補修が効率的です。
エポキシ樹脂注入は、足場不要で作業可能なケースもあり、コストパフォーマンスに優れます。
ただし、浮きの程度によっては注入だけでは不十分な場合もあります。
事前に診断を行い、適応できる範囲を見極めましょう。
下地の劣化が進んでいるなら張替え工法を選ぶ
下地に大きなひび割れや、タイルの広範囲な浮き・剥がれがある場合は、張替え工法が最も確実です。
新しい下地材とタイルで仕上げるため、耐久性が大きく向上します。
築20年以上経過した建物や、これまで補修をしてこなかった建物におすすめです。
費用は高めですが、安全性と長期的な維持管理の面で優れています。
美観を重視するならカバー工法が向いている
デザインを一新したい、外観を短期間できれいにしたいという要望には、カバー工法が適しています。
特に店舗や商業施設では、見た目の印象が重要なため、美観と補修を両立できる方法として重宝されます。
耐候性や防水性を兼ね備えたパネルを選ぶことで、機能面も向上します。
ただし、下地の状態が良好であることが前提条件です。
コストを抑えるなら部分補修工法が最適
広範囲の施工が難しい場合や、予算の都合で費用を抑えたい場合には、部分補修が現実的です。
エポキシ注入やアンカー固定などの工法を使えば、短時間かつ低コストで剥落リスクを低減できます。
ただし、他の箇所に浮きが広がっている可能性もあるため、定期的な点検と併用することが重要です。
あくまで応急処置的な位置づけで考えましょう。
外壁の材質に合った工法を選ぶことが大切
タイルの種類や下地の材質によって、選ぶべき工法は異なります。
たとえば、モルタル下地かコンクリート下地かによって接着剤や施工方法が変わります。
建築士や外装工事の専門業者に相談し、診断結果に基づいて選ぶのがベストです。
誤った工法を選ぶと、かえってリスクが高まる場合もあるので注意しましょう。
タイルの剥落防止工法を自分でできる?業者に頼むべき?

DIYでのタイル補修を考える人もいますが、すべてのケースで可能とは限りません。
高所作業が伴うため基本的には業者に依頼すべき
外壁タイルの多くは2階以上の高所にあり、作業には足場が必要になります。
落下事故や不安定な足場による転倒のリスクがあるため、素人が作業するのは非常に危険です。
専門の技術と安全対策を持った業者に依頼するのが原則です。
とくに劣化が進んでいる場合は、プロによる判断が必要不可欠です。
専門知識がないと誤った補修で被害が拡大する
見た目だけを補修しても、内部の接着力が不十分だと再発する可能性が高くなります。
また、誤った接着剤や施工方法を使うことで、かえって状況を悪化させることもあります。
施工前の診断と、適切な工法選定が非常に重要です。
信頼できる業者を選ぶことが結果的に長持ちにつながります。
軽度な浮き補修は専用キットでDIYできることもある
ごく一部の軽度な浮きに対しては、市販の注入キットを使って補修することも可能です。
タイルに小さな穴をあけ、エポキシ系接着剤を注入して接着力を回復させる方法です。
DIYに挑戦する場合は、安全に配慮し、低所のみで行いましょう。
ただし、診断が必要なケースや高所は必ず専門業者に依頼すべきです。
業者なら施工保証やアフターサポートがある
多くの専門業者では、施工後の保証期間やアフターサービスが用意されています。
万が一、施工後に問題が発生しても対応してもらえるため、安心して任せることができます。
また、材料や工法の選定も最新の技術に基づいて行ってくれるのがプロの強みです。
長期的な視点で考えると、業者に依頼するほうが安全で確実です。
タイルの剥落防止工法にかかる費用と工期の目安
タイルの剥落防止工法は、工法の種類や施工範囲によって費用と工期が大きく変わります。ここでは代表的な工法の単価と、施工にかかる時間の目安を紹介します。
エポキシ樹脂注入は1㎡あたり3,000〜8,000円程度
部分的な浮きや剥がれに対するエポキシ樹脂注入は、コストパフォーマンスに優れています。
1㎡あたり3,000〜8,000円程度が相場とされており、少ない面積であれば数万円から施工可能です。
足場が必要ない場所であれば、さらに費用を抑えられます。
ただし、高層ビルや広範囲では別途費用がかかる場合があります。
タイル張替えは1㎡あたり10,000〜18,000円程度
下地補修込みの張替え工法は、施工の手間がかかるためやや高めの費用帯になります。
劣化が進んだタイルを一新し、耐久性を高めたい場合には最適な工法です。
1㎡あたり10,000円から18,000円程度が一般的な価格帯です。
外壁全面の施工となると数十万〜数百万円規模になることもあります。
カバー工法は1㎡あたり9,000〜14,000円程度
既存のタイルを活かしつつ、上からパネルなどで仕上げるカバー工法は、撤去費がかからない分、コストを抑えられます。
1㎡あたり9,000円〜14,000円程度が一般的な価格帯です。
見た目をきれいに保ちたい商業施設などに人気のある工法です。
ただし、パネルの種類によっては追加費用が発生する場合もあります。
工期は範囲により数日〜数週間かかる
小規模な補修(10㎡以下)であれば、1日〜3日程度で施工が完了します。
一方で、全面張替えやカバー工法を行う場合は、1〜2週間以上の工期が必要になることもあります。
外壁全体を補修するようなケースでは、工期が1ヶ月を超えることも珍しくありません。
天候や作業環境によっても日程が左右されるため、余裕を持ったスケジュールを立てましょう。
足場代や高所作業費が別途かかるケースが多い
タイルの剥落補修では、高所作業になることが多く、足場の設置が必要な場合には追加費用が発生します。
足場の費用は、1棟あたり10万円〜30万円程度が目安です(建物の規模により変動)。
また、ロープアクセス作業やゴンドラ使用時も別料金がかかることがあります。
見積もりの際には、これらの費用が含まれているかを必ず確認しましょう。
タイルの剥落防止工法でよくある失敗と注意点

タイル補修は正しい知識と技術が必要です。ここでは実際によくある失敗例と、その対策を紹介します。
下地の劣化を見逃して補修が不十分になる
見た目だけを修復しても、下地の状態が悪ければ、再びタイルが剥がれる可能性があります。
タイルの浮きや剥がれの原因の多くは下地にあるため、必ず劣化状況を確認しましょう。
目視だけではわからないため、専門業者による打診検査や赤外線調査が必要です。
劣化箇所を見逃すと、補修後数年で再施工となり、費用が二重にかかります。
費用だけで業者を選んで質が低い施工になる
安さだけを基準に業者を選ぶと、使用する材料の質が悪かったり、施工がずさんだったりすることがあります。
一時的に剥がれが止まっても、数年で再発するケースが多く報告されています。
施工実績や口コミ、保証内容をしっかり確認することが重要です。
見積もりは複数社から取り、内容の内訳まで比較検討しましょう。
雨天や湿度の高い日に施工して接着が弱くなる
タイルの接着作業は、乾燥状態が重要です。
雨の日や湿気の多い日に施工すると、接着剤が十分に硬化せず、耐久性が下がることがあります。
施工スケジュールを立てる際には、天候も考慮することが大切です。
プロの業者であれば、天候によるリスクも見越して調整してくれます。
部分補修で済ませて他の箇所が後から剥がれる
剥落が目に見える一部だけを補修しても、他の部分がすでに劣化している可能性があります。
部分補修は応急処置としては有効ですが、長期的には全面的な調査と補修が必要です。
「一部だけ直したら安心」という考えは、かえって事故のリスクを増やす場合もあります。
必要に応じて全面的な点検と対策を行いましょう。
タイルの剥落防止工法は定期的な点検とメンテナンスが重要
タイルの剥落を未然に防ぐためには、日常的な点検と定期メンテナンスが欠かせません。以下に効果的な方法を紹介します。
10年ごとの外壁点検で早期発見できる
国土交通省の推奨では、外壁タイルの点検は10年ごとが望ましいとされています。
特に築10年以上経った建物では、早めの検査がタイルの寿命を延ばします。
重大な劣化が見つかれば、補修計画を立てる目安にもなります。
新築でも点検の意識を持ち、定期的なスケジュールを組むことが大切です。
目視点検と打診検査を組み合わせるのが効果的
専門業者は、タイルの浮きを発見するために「打診検査(ハンマーなどで叩いて音を確認する方法)」を行います。
目視だけでは判断できない微細な浮きや劣化も発見可能です。
目視+打診の組み合わせで、より正確な診断が可能となります。
赤外線カメラやドローンを使った検査を導入する業者も増えています。
タイルの浮きやヒビを放置しないことが大切
わずかなヒビや浮きでも、放置していると水分が侵入し劣化が進行します。
最悪の場合、タイルが剥がれ落ち、通行人に危険が及ぶ恐れがあります。
初期段階で補修すれば、費用も最小限に抑えられます。
「異常かな?」と感じたらすぐに専門業者に相談しましょう。
専門業者による年1回の定期点検がおすすめ
自分での点検だけでなく、年に1回は専門業者による定期診断を行うのが理想です。
プロの目でチェックすることで、見落としを防ぎ、補修のタイミングを正確に判断できます。
定期点検の履歴を残しておくことで、将来的な資産価値の維持にもつながります。
ビル管理者やマンションの管理組合は、長期修繕計画に組み込むとよいでしょう。
まとめ|タイルの剥落防止には適切な工法選びと予防がカギ

タイルの剥落は、見た目の問題だけでなく、安全性にも直結する重要な課題です。
原因には下地の劣化や接着不良、振動、凍害などがあり、それに応じた適切な工法を選ぶことが大切です。
エポキシ注入、アンカー固定、カバー工法、全面張替えなど、さまざまな方法がありますが、信頼できる業者と相談しながら選びましょう。
費用や工期も考慮しつつ、定期点検とメンテナンスを怠らないことが、長く安全に建物を使い続けるカギになります。
安全で美しい建物を保つために、今こそタイルの剥落対策を始めましょう。
外壁タイルの補修ならKFタイルホールド工法をお試しください
今回の記事では、タイルの剥落防止工法について皆様にご紹介しました。「外壁を補修しなければならない理由は分かったけど、どの業者に頼むのがベストなのか分からない」とお困りの方も多いのではないかと思います。
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